2008年11月01日

(11/1) 「最悪の10月」が最悪期からの脱出を示すか

【ニューヨーク・MarketWatch】投資家は株式の最悪期は脱したことに期待しながら11月入りを迎える。一方、世界の政府が金融市場を支援するために介入する中、信用の状況は引き続き改善の兆しを見せている。

「信用危機の緩和が若干見られる」とポール・ノルティ氏(ヒンズデールアソシテイト投資主任)がコメントしている。「しかし、まだあと3カ月から半年は経済指標の数字は芳しくなく、それ以上には長引かないかもしれないが、企業業績も同じ状況にある。」

火曜の米国大統領選挙が特に大きな不確定要素とは見られていないが、総じて良くない経済指標が金曜の雇用統計まで続く見込みである。米国経済における雇用は10月に200,000人の喪失と試算されている。

「どちらかの候補者が強くリードし、過去数回の選挙のように我々が朝3時まで結果を待つようなことがなければ、選挙について市場は決定的な勝利を好感するだろう。」とノルティ氏は話している。「いずれにしても、両候補者が主張している経済政策は、来年末まで効果が表れないだろう。」

悪い月、良い週

今週は強く上昇したが、市場のストラテジストは10月の前半で底値を固めて欲しいと願っている。

ダウ平均は1週間で11.3%急上昇したが、1カ月では14.1%下落した。これは1987年の株式市場の崩壊以来最悪の10月となった。

S&P指数は先月16.9%下落し、1987年以来の悪い1カ月となった。しかし1週間では10.5%上昇した。ナスダック指数は10月に17.7%下落し、2001年以来の最悪の1カ月となった。しかし、先週金曜との比較では10.9%の上昇となった。

「これによって市場における行動に大きな変化が現れている」とケン・タワー氏(クアンティテイティブ・アナリシス・サービス社マーケットストラテジスト)が話している。「これは株式市場の上昇だけではない。金融市場全体からプレッシャーが取り除かれている(証拠だ)。」

3カ月ドル建てのロンドン銀行間貸し手金利(Libor)は金曜に15営業日続落となった。木曜に発表されたデータでは、コマーシャルペーパー市場(企業の重要な資金調達源)が7週ぶりに拡大したことがわかった。

10月は、財務省が7000億ドルの金融機関救済策法案を議会で通過させるよう説得しそびれる格好で開始した。リーマンブラザーズの破綻により信用危機や株式下落が世界的に加速していった。

「2008年10月の終わりを惜しむ人はほとんどいないと言っていいだろう。このひと月は確実に金融市場の歴史の中で重要な場所となるだろう」とダグ・ポーター氏(BMOキャピタルマーケッツ社シニアアナリスト)が話している。

「しかし、月末の急速な上昇をもってしても、世界の株式市場は10月の傷を今後どこかでなめていかなければならないだろう」とポーター氏は報告書で書いている。

マーケットは過去の悪い数字を見る

これを踏まえ、今週の市場の上昇は米国経済が既に収縮し始めていることを示す概ね悲惨な数字と共に推移してきた。

木曜、商務省は米国経済が0.3%縮小したとの推定値を発表した。前回2001年末のリセッション以来の大幅縮小である。一方、消費支出は28年来の急速な減少となった。

「多くのネガティブな経済サプライズがあった。最近の市場の上昇に対する警戒心を踏まえて、私は投資家に対して市場の上値追いをするようには推奨しない」とタワー氏は話している。

「恐らくこの最悪期は脱したとの兆しは見えた。そして、今は安定してくる時期である」とタワー氏は話している。「しかしブルマーケットは来るだろうか?まだだと私は思う。」

月曜には10月のISM指数の主要な数字を分析することになる。予想では41.5%になる見通しで、製造業セクターがリセッション入りしているもうひとつの確認材料となる。

10月の自動車売上も同じ日に発表される。ゼネラルモータース(GM)は年初来でダウ30種平均の構成銘柄中最悪の株価動向を示しており、現在のところ24.9%下落している。

火曜には9月の工場受注が発表される。水曜にはADPの民間部門雇用統計が発表される。また、10月のISMサービスセクター統計も発表される。

木曜には週間失業保険申請数が発表され、金曜の雇用統計のヒントを分析することとなる。

企業業績

S&Pの327社が既に四半期決算を発表しているが、これまでのところ第3四半期の業績は前年同期比で11.7%減となっていることがトムソンファイナンシャルの調べでわかっている。第3四半期の初頭である7月1日時点では、業績予想は12.7%の増益だった。

「これはアナリストの予想下方修正や会社側の業績不達成の両方が原因である」とジョン・バターズ氏(トムソン社アナリスト)が話している。

予想では金融セクターが最も業績が悪いと見られており、前年比で94%の減益となっている。次に悪いのは消費者サービスセクターで、業績は19%の減益。主にフォード(F)やGMの業績が足を引っ張った。エネルギーセクターのパフォーマンスは最も良かった。前年比で55%増。

第4四半期は前年同期比では非常に比較が楽になる。昨年は金融機関が既に不良債権に対する巨額の損失を計上し始めていた。

今期の業績予想は28.8%の増益となっているが、金融セクターを除くと0.5%増にとどまる。

業績期待は10月1日と比較すると劇的に悪化している。当時のアナリストは第4四半期について46.7%の増益と見込んでいた。

「アナリストは今、更に広い範囲のセクターにわたって自らの業績予想を下方修正している。エネルギー、工業、基本素材、ハイテク、電話通信もそのリストの中に入る」とバター氏が話している。

エネルギーおよび素材株が今年前半の市場全体の下支え要因のひとつであったが、世界経済リセッションの予想からこれまで過去最高水準にあった商品価格からほとんどの空気が抜けてしまった格好になっている。

ここ1カ月で商品市場は売り込まれているが、ニューヨーク商品取引所の原油先物は10月に33%下落し、1983年の取引開始以来最も大幅な1カ月の下落を記録した。

良い面としては、消費者がようやく1年前よりも給油所で支払うお金が減ったと言ってくれることだろう。先月末時点での平均小売価格は31%下落し1ガロン$2.504となり、前年同期よりも14%安い水準にあるとAAAが話している。

gbd_market at 17:02 │Comments(0)TrackBack(0)この記事をクリップ!今週の米国市場 

トラックバックURL

コメントする

名前
URL
 
  絵文字